A1 miniでPETGを印刷するとき、標準の0.4mmノズル以外を選ぶと、仕上がりや印刷時間はどの程度変わるのでしょうか。
今回はBambu Lab A1 miniとBambu PETG Basicを使い、同じ3DBenchyを同じ向き・スケールで、0.2、0.4、0.6、0.8mmノズルを使って印刷しました。
各ノズルでは対応するBambu StudioのStandardプロファイルを選択しています。そのため、この記事はノズル径だけを変えた純粋比較ではなく、各ノズル向けStandard設定による実用比較です。
先に結論|普段使いは0.4mmが最もバランス良好
- 仕上がり優先:0.2mm
- バランス重視:0.4mm
- 中間候補:0.6mm
- 速度優先:0.8mm
実物では0.2mmが最もきれいでした。ただし、0.4mmも全体的な造形は0.2mmとほとんど差を感じない仕上がりで、印刷時間は2時間22分短くなっています。
普段PETGで使用するなら、品質と時間のバランスが良い0.4mmを選びます。文字などの細部を優先する場合は0.2mm、造形の細かくないものを速く作る場合は0.6mmまたは0.8mmが候補です。

今回の比較条件
4種類とも同じ3DBenchy、向き、スケール、フィラメントを使用し、サポートとブリムは使用していません。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| プリンター | Bambu Lab A1 mini |
| フィラメント | Bambu PETG Basic、グレー、1kg |
| モデル | 3DBenchy |
| プレート | Bambu テクスチャード PEI プレート |
| サポート/ブリム | なし/なし |
| 乾燥 | 45℃、12時間 |
| 乾燥後の保管 | AMS 2 Pro内、湿度表示20~30%前後 |
乾燥温度は今回の実施条件の記録であり、すべてのPETGに共通する推奨条件として提示するものではありません。
注意:ノズル径だけを変えた比較ではありません。各ノズルに対応するStandardプロファイルでは積層ピッチなども異なります。また、乾燥・保管状態を記録していますが、各造形の差の原因を一つに特定する検証ではありません。
印刷時間と材料使用量
この表では、仕上がりを選ぶときに重要な印刷時間と材料使用量を比較します。
| ノズル径 | プロファイル | 積層ピッチ | 印刷時間 | 材料使用量 |
|---|---|---|---|---|
| 0.2mm | 0.10mm Standard @BBL A1M 0.2 nozzle | 0.1mm | 3時間26分 | 10.72g |
| 0.4mm | 0.20mm Standard @BBL A1M | 0.2mm | 1時間4分 | 11.18g |
| 0.6mm | 0.30mm Standard @BBL A1M 0.6 nozzle | 0.3mm | 43分 | 12.28g |
| 0.8mm | 0.40mm Standard @BBL A1M 0.8 nozzle | 0.4mm | 34分 | 13.8g |
今回の条件では、ノズル径が大きい条件ほど印刷時間が短くなりました。一方、使用材料量は増えています。0.2mmと0.4mmの時間差は2時間22分ですが、実物の全体的な造形には大きな差を感じませんでした。
積層と細部の見え方
0.2mm|文字などの細部を優先
4条件の中で最もきれいでした。0.4mmと比べて全体的な造形に大きな違いは感じませんでしたが、背面下側の丸穴や文字は0.2mmのほうがくっきりしています。印刷時間は3時間26分と最も長いため、文字などの細かい造形を優先したい場合に向いています。
0.4mm|品質と時間のバランスを優先
0.2mmと大きな差を感じない、きれいな仕上がりでした。背面下側の丸穴や文字の鮮明さは0.2mmが優位ですが、印刷時間は1時間4分です。品質と時間のバランスが最も良く、今回の4条件では普段使いたいノズル径です。
0.6mm|細かくない自作モデルを速く造形
少し糸引きがありましたが、簡単に取れる程度でした。そのほかの造形はほぼ問題ありません。自作CADデータなど、細かい造形を必要としないものを速く作りたいときに使いやすいと考えます。
0.8mm|ラフな造形を最短時間で印刷
34分で最も速く印刷できました。一方、側面左側の係船柱がうまく再現されず、底面文字は欠けて一部を読み取りにくい状態でした。背面下側の丸穴も、0.6mmと同様に丸い形状を再現できていません。
そのほかに目立つ問題はなく、若干の糸引きも手で取れる程度でした。細部を求めないラフな造形を速く印刷したい場合の候補です。




仕上がり・印刷時間・用途のバランス
この表では、実物の評価、印刷時間、用途をまとめて比較します。
| ノズル径 | 仕上がり | 印刷時間 | 向いている用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 0.2mm | 最もきれい。細部がくっきり | 3時間26分 | 文字や細かい形状 | 0.4mmより大幅に時間がかかる |
| 0.4mm | 0.2mmに近いきれいな造形 | 1時間4分 | 普段使い、品質と時間の両立 | 細部は0.2mmが優位 |
| 0.6mm | 全体はほぼ問題なし | 43分 | 細かくない自作モデル | 軽い糸引きを確認 |
| 0.8mm | 全体は造形できたが細部に欠け | 34分 | 細部を求めないラフな造形 | 係船柱、底面文字、丸穴の再現に問題あり |
単純に細いノズルほど優秀という結果ではありません。0.2mmは細部に強い一方で時間がかかり、0.8mmは細部に制限がある一方で最速でした。
今回の比較で分かること・分からないこと
今回確認できたのは、A1 mini、Bambu PETG Basic、3DBenchy、各ノズル向けStandard設定を組み合わせたときの外観、印刷時間、材料使用量です。
- 各結果がノズル径だけによって生じたか
- 強度や寸法精度の違い
- 別モデルや別設定でも同じ傾向になるか
- PLAとの材質差だけを切り分けた結果
- 0.6mm・0.8mmで見られた状態の原因
まとめ
今回のPETG実機比較では、0.2mmが最もきれいで、0.8mmが最も速い結果でした。ただし、0.2mmと0.4mmの全体的な仕上がりに大きな差を感じなかったため、普段使いには0.4mmが最もバランスの良い選択です。
細かい文字や形状には0.2mm、細かくない自作モデルを速く作るなら0.6mm、ラフな造形を最短時間で作るなら0.8mmが候補になります。ノズルを選ぶときは、仕上がりだけでなく、印刷時間と作りたいモデルの細かさも合わせて判断してください。
Bambu Studioで印刷前に時間と材料使用量を確認する手順は、Bambu Studioで印刷時間・材料使用量を確認する方法で説明しています。
同じ4種類のノズルをPLA Basicで比較した結果は、A1 miniのPLAノズル径比較で確認できます。材料が異なるため、PETGと同じ結果になるとは限りません。
今回使用した商品
今回の比較で使用した商品です。
- Bambu Lab A1 mini
- Bambu PETG Basic グレー 1kg

コメント
[…] 実際の造形品質も含めた0.2・0.4・0.6・0.8mmの比較は、PLAでのノズル径比較と、PETGでのノズル径比較で確認できます。 […]