A1 miniでは複数のノズル径を使用できますが、細いノズルほど常に優れているわけではありません。
細かく印刷できても時間が長くなり、太いノズルは短時間で印刷できても、小さい形状の再現が難しくなる場合があります。
今回はBambu Lab A1 miniとBambu PLA Basicを使い、同じ3DBenchyを0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmノズルで印刷しました。
造形モデル、向き、フィラメント、プレートは共通ですが、各ノズル向けのStandardプロファイルを使用したため、積層ピッチや速度なども異なります。
この記事はノズル径だけを変えた実験ではなく、各ノズル向けのStandard設定による実用比較です。
先に結論|初心者は0.4mmを基準に考えやすい
0.2mm
0.4mm
0.6mm
0.8mm
実物を比較すると、仕上がりが最もきれいだったのは0.2mm、最も速かったのは0.8mmでした。
ただし、普段使いで品質と時間のバランスが良いと感じたのは0.4mmです。
0.2mmは細部をきれいに再現できましたが、印刷時間は2時間18分でした。0.4mmは45分で、積層は見えるものの気にならない程度でした。0.6mmは31分で、一部に欠けがあったものの、今回の0.8mmより扱いやすい中間候補です。
0.8mmは26分で最速でしたが、バチバチ音があり、同じ設定で3回印刷してもほぼ同じ箇所に欠けが発生しました。細部の少ない形状を短時間で作る用途には候補になりますが、今回の結果だけで一律にはおすすめできません。

今回の比較条件
この表では、4種類のノズルで共通にした条件と、未記録の条件を確認できます。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| プリンター | Bambu Lab A1 mini |
| フィラメント | Bambu PLA Basic(グレー) |
| 造形モデル | 3DBenchy |
| ビルドプレート | Bambu テクスチャードPEIプレート(金色) |
| 比較したノズル径 | 0.2/0.4/0.6/0.8mm |
| スライス設定 | 各ノズル向けStandardプロファイル |
| 共通条件 | 同じモデル、向き、フィラメント。サポート・ブリムなし |
| 未記録 | Bambu Studioのバージョン、温度、速度、冷却設定、乾燥方法・乾燥温度、スケール |
積層ピッチを統一せず、各ノズル向けStandardプロファイルを使用しています。
そのため、ノズル径だけの純粋な比較ではなく、標準設定で使った場合の仕上がりと時間を比べる実用比較です。
印刷時間と材料使用量
この表では、各ノズル径の積層ピッチ、印刷時間、材料使用量を比較できます。
| ノズル径 | 積層ピッチ | 印刷時間 | 材料使用量 |
|---|---|---|---|
| 0.2mm | 0.1mm | 2時間18分 | 11.26g |
| 0.4mm | 0.2mm | 45分 | 11.75g |
| 0.6mm | 0.3mm | 31分 | 12.9g |
| 0.8mm | 0.4mm | 26分 | 14.5g |
今回の記録では、ノズル径が大きくなるにつれて印刷時間は短くなり、材料使用量は増えました。
ただし、積層ピッチとプロファイルも同時に変わっているため、ノズル径だけによる変化とは断定できません。
積層と細部の見え方
0.2mm|細部と積層のきれいさを優先
0.2mmは積層が最もきれいで、背面下の丸穴も違和感なく再現されていました。底面文字を問題なく読め、少しぼやけていたものの、背面文字も4条件で唯一読み取れました。
0.4mm|品質と時間のバランスが良い
0.4mmは積層線が見えますが、実物では気にならない程度でした。底面文字もくっきり再現され、写真では反射で読みづらく見えるものの、実物では読み取りやすい状態でした。
0.6mm|短時間化と細部の中間候補
0.6mmは底面文字を読めましたが、文字の彫りが浅く感じられ、0.2mmや0.4mmより少し読みづらい状態でした。
ところどころに欠けもありましたが、今回の0.8mmほど目立ちませんでした。
原因未確認:欠けの原因は確認できていません。
0.8mm|最速だが細部の欠落あり
0.8mmでは側面後方の係船柱の一部が途切れ、背面下の丸穴も再現できませんでした。底面文字は読めましたが、実物では4条件の中で最も粗く感じました。
仕上がり・印刷時間・用途のバランス
この表では、仕上がり、印刷時間、材料使用量、向いていそうな用途と注意点を一覧で確認できます。
| ノズル径 | 今回の仕上がり | 印刷時間 | 材料使用量 | 向いていそうな用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.2mm | 4条件中最もきれい。小さい文字や丸穴も比較的明瞭 | 2時間18分 | 11.26g | 小さい文字、穴、装飾など細部を優先する小型造形 | 4条件中最も時間が長い |
| 0.4mm | 積層痕は見えるが気になりにくく、底面文字も読み取りやすい | 45分 | 11.75g | 日常的な小物、試作品、品質と時間を両立したい造形 | 0.2mmほど細部は明瞭ではない |
| 0.6mm | 0.8mmより細部を残しやすい一方、一部に欠けが見られた | 31分 | 12.9g | 0.4mmより速く、0.8mmより一定の細部を残したい造形 | 欠けの原因は未確認 |
| 0.8mm | 4条件中最も粗く、一部の小形状や丸穴を再現できなかった | 26分 | 14.5g | 細部が少ない大きな形状を短時間で印刷したい場合 | バチバチ音と欠けの原因は未確認。追加確認が必要 |
これは今回の3DBenchyとStandardプロファイルによる結果から考えた用途です。
注意:別のモデルや設定で同じ結果になるとは限りません。
0.8mmで起きた欠けとバチバチ音について
0.8mmでは印刷中にバチバチ音があり、同じ設定で3回印刷してもほぼ同じ箇所に穴や欠けが発生しました。
側面後方の係船柱も一部が途切れています。
原因未確認:ノズル径だけが原因とは確認できていません。
フィラメントの状態、流量、温度、速度、冷却、プロファイル、モデル形状など、複数の条件が関係した可能性があります。原因を特定するには、条件を一つずつ変えた追加検証が必要です。
今回の比較で分かること・分からないこと
今回分かるのは、A1 mini、Bambu PLA Basic、3DBenchy、各ノズル向けStandardプロファイルという組み合わせでの実物差です。
一方、次のことは断定できません。
- ノズル径だけを変えた場合の純粋な品質差
- 0.6mmと0.8mmの欠けの原因
- 別モデル、別のPLA、別設定での結果
- 各ノズル径の強度や寸法精度
- 係船柱の再現限界となる正確な寸法
まとめ
今回の実機比較では、細部と仕上がりを優先するなら0.2mm、印刷時間を優先するなら0.8mm、普段使いの品質と時間のバランスでは0.4mmが使いやすいと感じました。0.6mmは、0.4mmより時間を短縮しながら、今回の0.8mmより品質低下を抑えたい場合の中間候補です。
初心者が最初の1本を選ぶなら、まず0.4mmを基準にし、細部が必要なら0.2mm、造形時間を優先するなら0.6mmや0.8mmを検討する流れが分かりやすいと考えます。ただし、太いノズルではモデル形状と設定、フィラメント状態の影響を確認する必要があります。
Bambu Studioで印刷前に時間と材料使用量を確認する手順は、Bambu Studioで印刷時間・材料使用量を確認する方法で説明しています。
同じ4種類のノズルをPETGで比較した結果は、A1 miniのPETGノズル径比較で確認できます。材料が異なるため、PLAと同じ結果になるとは限りません。


コメント
[…] 実際の造形品質も含めた0.2・0.4・0.6・0.8mmの比較は、PLAでのノズル径比較と、PETGでのノズル径比較で確認できます。 […]